起業という選択で自分の力をつかって生き抜く力を身につける〜貧困という現場で生き抜き、今、社会活動をしているアンバサダー3名に聞く〜

沖縄のココカラエラブで情報の格差をなくしたい

家庭や環境の違いが、子どもたちの未来に影響を与えることがある。どうしようもない環境にいたとしても、それを「断ち切る力」を持つのもまた、人と人とのつながりです。

どんな状況からでも、人は変われる。

それを実感し、今まさに行動している3人の女性がいます。そんな彼女たちに、「沖縄の子どもたちの未来をどう守りたいか」を聞いてみました。

「教育格差」が連鎖を生む

さまざまな家庭環境で幼少期を過ごし、今では沖縄のために、未来の子どもたちのために、とご活躍されているアンバサダーのお三方に、沖縄の抱える現状・背景についてお話を伺います。

あす香さん

一言で言うなら、やっぱり「負の連鎖」ですね。
特に教育の格差が大きいと感じます。低所得や若年出産、シングルマザー世帯も多くて、

「母親が夜働く→朝起きられない→子どもが学校に行けない」
という現実がある。

不登校自体は悪いことではないけど、家庭での関わりや教育への意識が薄れることで、子どもが学ぶ機会を失ってしまうことが多いんです。

手っ取り早くお金を稼げるということから、夜の仕事をする人も多いですし、「今のままが居心地いいから」と新しい世界に踏み出すことをハードルが高いと思っている人もいます。

「通じ合える文化」と「言葉の力」

編集長

なるほど。教育の格差ですね。
沖縄の教育格差は何が原因で起こると感じますか?

maNamiさん

根っこには「言葉の力」の弱さがあると思うんです。

沖縄って、空気を読む・心で通じ合う「ツーカー」の文化が強く、「あえて言葉にしなくてもなんとなく分かるよね」って。
でもそれが裏目に出て、語彙力や自己表現の力が育ちにくい背景があると思います。

だから、自分の気持ちをうまく言葉にできず、悩みを解決できないまま抱え込む人も多いのかなって。

見方を変えれば、「沖縄の人は空気を読む力が特に強い才能」とも言えるんですけどね。

「情報の貧困」を見てきた現場から

編集長

制服リユース事業をされている寿恵子さんが、現場で感じる課題はありますか?

寿恵子さん

私のお客様の約8割は「節約したい普通の家庭」です。
残りの2割の、いわゆる本当に厳しい家庭環境にある子供達の中には、食べ物もなく、学校に行けず引きこもっている子もいます。

中には親が遊び回って育児を放棄していたり、育ててくれている、おじいちゃんおばあちゃんの年金だけで細々と暮らしているケースもあります。

また、中学生が夜の仕事をしていたり、合格しても「入学金が払えない」と泣くお母さんもいました。
その姿を見て、痛感したのは、沖縄の根本的な問題は「情報の貧困」だと。

助けてくれる制度はあるのに、情報に届かない。行政手続きも難しくて、識字力が足りず申請できない人もいます。

「行政+民間+志のある人」でチームを

編集長

行政の支援もあるけれど、欲しい時にすぐに届かない現実もありますよね。

あす香さん

行政って手続きも複雑だったり、実際に受け取るまでに時間がかかったりします。でも、だからこそ私たちみたいに志を持った人たちがチームになって、行政の「ブランド」を借りて動けば、必要なタイミングで必要な支援を届けられるのではないかと感じます。

「教育×起業」で未来を変える

maNamiさん

ココカラエラブ祭を通して、すでに起業してる人と出会って、講座を受けたりすることは、語彙力を上げることにも繋がりますよね。

あす香さん

起業って、ただ稼ぐためじゃなくて、「生きる選択肢を増やす」ことだと思います。
maNamiさんの言うように、講座を通して語彙を増やしたり、
「リユースって何?」みたいな小さな学びを重ねることが大きな一歩になる。

寿恵子さん

私も、できることは協力したいと思っています。これまでの活動の中で、メディアや行政とのつながりもたくさんあるので、必要なもの同士をつなげていくなど、架け橋になるようなことで力になっていきたいと思っています。

プロフィール

筆文字アートコーチ
名嘉眞あす香

24歳で離婚して鬱を発症。水商売などをしながら、生計を立てる。
自己肯定感の低さを克服するため、独学で心理学とカウンセリングを習得。35歳の時、有料のカウンセリングスクールに通うことを決意。
自分と同じように水商売などで働いている女性を救いたいと思い起業。

女性起業家のための収入UPコンサルタント
maNami

もともと霊視ができることに加え、心理学を学んだことで、目に見えない世界の重要性をより深く理解。

この能力と経験を人のために使おうと決めた時、まずは自分自身が豊かでなければ、循環を生み出すことはできないと気づく。

そこで、起業という形を選び、自分も相手も、そして社会も豊かになることを目指している。

学生服リユースリサイクルゆいまぁる代表
與那城寿恵子

沖縄県浦添市で中古学生服の買取、販売。
高校生の娘と小学生の息子、2人を育てる母。
テレビで見た、沖縄の子どもの貧困の現状に衝撃を受け、学生服リユースリサイクルを始める。

子どもたちの笑顔を増やすため、沖縄県全市町村の子供たちの学生服を取り扱えるよう努めている。

2号掲載分(2025年11月発行)

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